台風が来た時の目隠しフェンス固定ねじの強度評価

台風にも負けない目隠しフェンスを!

さて、フェンスの目隠しに必要な材料が揃い、設計図も完成しました。

最後に確認が必要なのが、強度です。

春には春一番、夏は台風、秋は木枯らし・・・日本に住む以上は強風問題には目をつぶって生活することはできません。

強風でねじが壊れて、ポリカの板が飛んでいくとなったら大変です。

我が家の窓ガラスにひびが入るくらいならいいですが、敷地を超えて飛んでいって隣家の窓ガラスを突き抜け、住人にけがを負わすことになってしまったら誤って済む問題ではありません。

一生を棒にふることもなりかねません。

もうガクガクブルブルものです。

ということで、学生時代に戻った気分で目隠しフェンスの強度計算をすることにしたのでした。

そう、西園寺は今でこそ平凡なサラリーマンですが、元々は工学系の専門学校を出たエンジニア魂を持っているのです。

台風でポリカーボネート板が受ける力はおやじ10人分!

強度評価をするためには、まずは、台風の力の強さを見積もる必要があります。

気象庁が日本各地で観測されたこれまでの風速をwebページで公開していますので、このデータを活用して、風速から力を計算してみることにします。

これによれば、西園寺の住んでいる地域の過去の最大風速はだいたい50m/sくらいです。

速度Vの風が平板に当たった時、ポリカーボネート平板の受ける力Fはこんな式で計算することができます。

F=1/2ρV^2×S×Cd

  • F:平板が受ける力[N]
  • ρ:空気の密度=1.3[kg/m3]@1013hPa,0℃
  • V:風速=50[m/s](過去最大の瞬間風速@気象庁ホームページ)
  • S:平板の面積=2[m2](大体1m×2mなので)
  • Cd:抗力係数=2[-](長方形の平板の値)

これで計算すると、ポリカーボネート平板に想定される最大の力は約6500N(約650kgf)となります。

60kgのおじさん10人分・・・かなりの力ですね。

台風の力、恐るべし。。

ねじはおやじ10人分のちからに耐えられるのか!?

台風の力が分かったので、次はこの力にボルトが耐えられるかどうかです。

おやじ10人 VS 我が家のフェンスのねじ。

ねじ、ガンバレ!

まず、ねじ1本に生じる応力を計算してみましょう。

ねじに生じる応力はこんな式で計算することができます。

σ = F / A

  • σ:ネジに発生する応力[MPa]
  • F:ねじ1本に作用する力 = 6500N ÷16本 = 406 [N]
  • A:ねじの有効断面積(M4ねじの場合、8.7mm2)

この式で計算してみると、ねじ1本に生じる応力は27MPaなります。

これはねじの強度に比べてどうなんでしょうか。

ねじの材料はSUS304です。

ステンレス鋼なので、強度はそこそこ高く、

降伏応力(強度)は室温で約70MPaです。

発生応力27MPa<強度70MPa

そう、発生する応力は、ねじの強度に比べて十分に小さいですね。

なので、強度上問題がないことが確認できました。

観測史上最大クラスの風が吹いたとしても我が家のフェンスは大丈夫です。

これで安心。

台風よ、いつでも来いヤァ!

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